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マーケティングオートメーションとは?例を使って出来ることできないことをわかりやすく説明します!

マーケティングオートメーションとは?

その名の通りマーケティングを自動化させることができると思われるマーケティングオートメーション(以下MA)ですが、マーケティング活動全てを自動化することが出来る魔法というわけではありません。

この記事では、MAツールの導入を考えている方、マーケティング初心者の方に向けて、例を交えて誰にでもわかりやすくMAが出来ること、出来ないことを解説していきます。

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MAツールの目的

MAツールは新規顧客の発掘、見込み顧客の開拓を行う一連のプロセスをサポートするツールです。

MAツールを使う目的は、自社の製品やサービスを購入する見込みのあるユーザーを捉えて、見込み度合いが高いユーザーを営業にパスをして、見込み度合いが低いユーザーは育成したうえで購入に売上を最大化させることです。

これだけではよくわかりませんね。ここから例を挙げてわかりやすく解説します。

1.定置網で魚を囲い込む | フォームの設置とリード獲得

MAツールを使ったプロセスは、海に出て漁をすることに例えられます。

まずMAの出来ることの一つとして、定置網を設置する。すなわち、「見込み顧客を捉える」ということができます。

定置網漁は魚が多く集まるポイントに定置網を設置して、網の中に餌を設置して魚が入って来るのを待ちますね。

MAツールを定置網漁で例えると

 

それと同じく、自社のWEBサイトにコンテンツという餌を置いて、MAフォームという定置網を設置することで、個人情報=リード情報を取得します。

また定置網の引揚をした後は魚の選別をしますね。魚の種類、魚の大きさなどで分けます。

MAにおいては、獲得したリードを条件設定をすることで選別することができます。例えば、企業規模、職種、役職、行動履歴、案件情報をもとに選別と分類をすることができます。

選別をするのは後の工程で、特定の条件に合致した見込み顧客に対してマーケティングのアクションを取りやすくするために行います。

2.魚を養殖する | 見込み顧客のナーチャリング

魚の選別をした後で稚魚は生簀で養殖をする場合がありますね。MAにも養殖をするという機能があります。

魚である、見込み顧客を獲得をしたとしても、色々な理由からすぐに自社の製品やサービスを購入しないユーザーがいます。いわゆる出荷待ちの魚の状態です。そのユーザーを購入するまで導き、出荷できる状態に養殖(ナーチャリング)するための機能MAにはあります。ここから具体的にナーチャリングに関して説明していきます。

養殖も大きな魚にあげる餌と小さな魚にあげる餌は変えますね。成長に合わせて餌を変えて、出荷できるまで大きくしていきます。

ナーチャリングを出荷待ちの養殖魚で例えると

 

MAでは見込み顧客の職種や役職、例で言うと「魚の種類」と自社のWEBサイトの閲覧やセミナー参加状況、いい変えると「魚のサイズ」の状態にあわせて、案内内容やオファーという「餌」を変えて見込み顧客の購買モチベーションをあげる取組をすることができます。

例えば情報システム部の方が、サービスの価格と事例をみていたらサービスの3ヶ月無料トライアルをオファーをメールや広告で展開することを事前に設定して実行ができます。

まとめると、事前に魚の選別の条件(MAの設定)を決めて(無料トライアル、セミナー案内)を決めることで自動的に餌やり(メールや広告の配信)をして、魚の育成(ナーチャリング)をすることができます。

3.取れた魚を出荷する | 営業にパスをする

選別された魚は出荷することになります。

それと同様、出荷の条件を事前に決めることで、条件が揃えば自動的に魚が出荷される、すなわち見込み顧客を営業にパスをするということがMAでは可能です。

例えば「自社のWEBサイトの製品情報、価格、事例を全てみて、「導入事例セミナー」に参加したユーザー情報を営業に渡す」「WEB訪問ごとにスコア加算して100点を超えたら営業にパスする」という条件を決めることで、週ごとや1日ごとに対象者のリストを営業に自動的にメールすることができます。

受け取った魚を調理するのは営業の仕事となります。上手く魚を調理して提供できれば顧客化、できなければ失注ということになります。

ここまでがMAツールできることになります。ここからはMAツールでは出来ないことを紹介します。

MAでは出来ないこと

エサ(コンテンツ)を企画して作り続ける

定置網を設置(フォームを設置)するにあたって、必要な情報である「どこに魚がいるか」(見込み顧客となりうる人がいる場所)、「何が餌となるか」(何に興味を持つのか)MAでは分かりませんし、自動化できない部分です。

定置網と餌を適切な場所に設置しなくては、魚はかかりません。

よくMAツールを導入して陥ることとして、導入することが目的になり、コンテンツを作れずに、使わなくなってしまうことが多々あります。

どんな魚(見込み顧客)を狙って、どこに網(フォーム)を設置して、何を餌(コンテンツ)にして魚を引き寄せるのかは工夫し続けることが必要で、それを考え続けるのが漁師(マーケター)の役割になります。

魚を自動的に狙いをつけてくれるわけでもありませんし、餌も勝手には作られません。(コンテンツ)を作り続ける体制をつくることが大切になります。

出荷(営業パス)する魚の条件の設定

料理人である営業が求めてもいない魚(見込み顧客)をパスしても確実に放置されることになります。また質の低い魚を一方的に提供し続けると、信頼関係にもヒビが入ることになります。

まずMAツール導入により期待通りの効果を得るためには、営業とパスをするリードの条件をきちんと決めておく必要があります。それもなしにツールだけ導入をしても確実に成果は出ません。

営業とマーケティングが「多くの最終消費者に美味しい魚料理を提供する」という同じ目的意識を持って、漁をして質の高い魚を提供するのがマーケティング、調理するのが営業と役割分担を明確にした上でどんな魚が必要かを話し合い、決定するというプロセスは必ずMA導入時には必要です。

「連絡先が手に入ったらすぐパスして欲しい」という営業チームもあれば、「ユーザー事例セミナーとWEBで価格ページまで見た人のみパスして欲しい」という場合もあるかと思います。おそらく前者は営業チームとして数字目標が厳しく切羽詰まっている、後者はそこまで数値目標が厳しくないという場合に見られるでしょう。

会社全体の目標を達成するために必要な数とを踏まえて、協議の上条件設定することが大切です。

まとめ

MAツールはマーケティングオートメーションという名前がついているため、マーケティングが全てを自動化できると勘違いしてしまいがちですが、そうではありません。

あくまでも定置網の設置と養殖と出荷、すなわちリードの収集とナーチャリング、リードの管理と営業パスができるものと考えていただくと良いでしょう。

上手くこのMAを活かしていくには、狙っている魚(見込み顧客)を明確にして、その魚を獲るために魅力的な餌(コンテンツ)を研究して用意していく体制の構築が不可欠です。

また営業との日々のコミュニケーションも大切になってきます。

MAツールの導入前には、導入の目的と今一度運用の体制の計画、社内コミュニケーションは見直すと良いでしょう。

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