書籍

本紹介 | コトラーのマーケティング4.0  スマートフォン時代の究極法則 | デジタル化時代のカスタマージャーニーの進化を知れる本

マーケティングの父とも呼ばれる、コトラー教授が現代のデジタル化時代に合わせてアップデートをしたマーケティング論を知ることができる本です。

コトラー教授は1967年に36歳の時にマーケティング・マネジメントを発表して以来、多くの研究成果を発表してきましたが、2016年85歳の時に発表したのがマーケティング4.0になります。

興味を探究することに年齢は関係ない、そんなことにも気付かされる本でもあります。

マーケティング4.0までの流れを簡単に紹介します。

マーケティング1.0 1900〜1960年代

告知すれば売れる時代、マーケティングは製品ありきで動いていました。マーケターはできる限り企業側が考える「良い製品」を知らせて、売ることに注力していました。

マーケティング2.0 1970〜1980年代

企業中心から、顧客中心のマーケティングへとシフトしました。マーケティングはセグメント化(細分化)され、製品は市場に適したものでなければ売れない時代へと変化しました。

マーケティング3.0 1990〜2000年代

顧客中心からからに一歩進み、人間中心のマーケティングが3.0です。インターネットの普及に伴い、劇的に消費者の購買体験は変わりました。顧客のニーズや欲求に応えると同時に、社会や環境に影響をも考慮したマーケティングが必要となりました。

マーケティング4.0へ

2000年以降のマーケティング環境はスマホの登場により急速にモバイル化、デジタル化が鮮明となります。モバイル化におけるマーケティング変化を扱うのがマーケティング4.0になります。

本の目次と主な内容は次のようになっています。

本の目次

  • 第1部 マーケティングを形づくる基本的なトレンド
  •  第1章 つながっている顧客へのパワーシフト
  •  第2章 つながっている顧客に対するマーケティングのパラドックス
  •  第3章 影響力のあるデジタル・サブカルチャー
  •  第4章 デジタル経済におけるマーケティング4.0
  • 第2部 デジタル経済におけるマーケティングの新しいフレームワーク
  •  第5章 新しいカスタマー・ジャーニー
  •  第6章 マーケティングの生産性の測定指標
  •  第7章 産業類型とベスト・プラクティス
  • 第3部 デジタル経済におけるマーケティングの戦術的応用
  •  第8章 ブランドの誘引力を高める人間中心のマーケティング
  •  第9章 ブランドへの好奇心をかき立てるコンテンツ・マーケティング
  •  第10章 ブランド・コミットメントを生み出すオムニチャネル・マーケティング
  •  第11章 ブランド・アフィニティを築くためのエンゲージメント・マーケティング

コトラーのマーケティング4.0 スマートフォン時代の究極法則|マーケティングおすすめ本の紹介

この本を読んでまず気づかされることは、大きな時代とテクノロジー変化によってマーケティングも常に変化しているということです。

特にテクノロジーの進化によるメディアやそれ見るモノの変化、つまりはテレビや新聞から情報を得る時代から、パソコン、スマホで情報を得ることに伴い、劇的に購買行動も変化したという点を理解しておくことは重要だと感じました。

世の中の変化に伴い、マーケティングも変わったということは、ごく当たり前のことに感じるかも知れません。

しかしながら、85歳にもなるコトラー教授がそれを言語化して、万人にわかりやすい形でまとめているということに、「優れたマーケターは世の中の変化、消費者の変化のモーメンタムを捉えて、それに合わせて柔軟に変化していくものである」という強いメッセージを感じます。

本のおすすめポイント

私自身この本を読んで強く思うのは、自分の目や耳で、世の中やテクノロジーの変化や目の前のお客様の行動、思考の変化を捉えながら、打ち手を変えて行くことが大切だと感じました。また行動することも同時に大切だということ胸に焼き付けるきっかけになった本です。

目から鱗というような目新しいことはないかも知れませんが、この本は世の中の変化と現代のマーケティング環境とを的確に言語化して、何を顧客が求めているのかを知れるという点で、マーケティングだけでなく、経営者や商品の開発、営業などの職種の方にもおすすめができます。

世の中の流れ、マーケティングの本質に近づくのにおすすめします!

こんな方におすすめ

  • マーケティング関連の職種につく全ての方
  • 顧客主義を貫こうとしている経営者の方
  • 成果をあげたいと考えている商品開発、営業職種の方
  • コトラー教授のことはよく知っているが、実は本は一冊も持っていないという方


-書籍
-