マーケティングのバイブル、百科事典といえばこの本と呼ばれるのが、このマーケティング・マネジメントです。
この本自体は米国経営大学院、MBAではテキストの一冊として、マーケティングを学ぶ学生は必ず手にする本です。
著者のフィリップ・コトラー教授は「近代マーケティングの父」とも呼ばれるように、マーケティング分野における多くの研究を発表し、またその研究内容はただの理論に終わらず、今日のあらゆるビジネスの現場で実際に活かされいます。
私自身も1冊持っていますが、本当に辞典です(笑)。1000ページもあります。
その分厚さに圧倒されてしまいそうですが、理論とその理論を説明するための実例が細かく書かれているので非常に読みやすい内容になっています。
本の目次と主な内容は次のようになっています。
本の目次
- 第1部 マーケティング・マネジメントの理解
- 主な内容:コンセプト
- 第2部 顧客との関係構築
- 主な内容:顧客リサーチ、セグメンテーション、ターゲティング
- 第3部 強いブランドの構築
- 主な内容:ポジショニング、差別化
- 第4部 市場提供物の形成
- 主な内容:製品戦略、マーケティングミックス
- 第5部 価値の提供
- 主な内容:実施、チャネル戦略
- 第6部 価値の伝達
- 主な内容:マスマーケ、ダイレクトマーケ、インタラクティブマーケ
- 第7部 長期的成長の実現
- 主な内容:グローバルマーケ、インターナルマーケ
コトラー&ケラーのマーケティング・マネジメント|マーケティングおすすめ本の紹介
この本を読んでまず気づかされることはマーケティングは、ただ単に商品やサービスをプロモーションするだけではないということです。私自身も正直な話、新卒でこの業界に入るときにはそう思っていました。しかしながら、実務をしながら、3年ほど経って経験と今一度知識をつけようと買ったこのマーケティング・マネジメントでようやく「企業活動の全て」がマーケティングであるということが腹落ちしました。
コトラー教授が伝えたいことは、顧客を徹底的に理解し、顧客のニーズを満たす製品やサービスを開発し、それを対象となる顧客に告知して、顧客の好む方法で届けるという一連の過程と、重要なことは全ては「顧客」が中心であるということだと私は解釈しています。
そしてその顧客を中心の姿勢を私たちが貫くために必要な手法をわかりやすく教えてくれているのが、対象顧客を想像するためのセグメンテーション・ターゲティング・ポジショニング(STP)だったり、誰に何をいくらでどこで提供するかを決めるマーケティングミックス(4P)などのフレームワークなのです。
マーケティングも、製品開発や販路拡大も全ては「顧客」のためにやるのであって、製品やサービスの提供側の押し付けはやがてうまくいかなくなるという原則を教えてくれているのだと思います。当たり前といえば当たり前なのですが、その当たり前ができていなかったり、忘れてしまうことはよくあることです。私自身も今でもしょっちゅうあります。
本のおすすめポイント
普段の実務で、細かくこの本を見ることはありませんがふと行き詰まったりするときには大抵、「顧客視点」を忘れていることがあります。そんな時にこの本の側を見るだけでも、基本に立ち返るということができます。
この本は「企業活動の全て」を教えているのでマーケティングだけでなく、経営者や商品の開発、営業などの職種の方にもおすすめができます。
残念ながら電子版はないのですが、逆にこの本は是非一冊手元に置いて置くことをおすすめします!
こんな方におすすめ
- マーケティング関連の職種につく全ての方
- 顧客主義を貫こうとしている経営者の方
- 成果をあげたいと考えている商品開発、営業職種の方
- コトラー教授のことはよく知っているが、実は本は一冊も持っていない