マーケティング入門おすすめ本を紹介
自分自身が入社したての時に読んだ本で記憶に残ってもの。最近の新卒社員にオススメして評判のよかった本をこの記事では紹介します。
こんな方におすすめ
- 大学でマーケティングを始める
- 広告代理店やマーケティング部署に入社・配属したて
- 新入社員にマーケティングを学んでもらうために本を探している
マーケティング入門書を選ぶ中で考えたことは次の3点です。
- マーケティングの全体像を具体例をもとに知ることができる
- マーケティングの変遷を知ることができる
- マーケターとしてのキャリアアップの方法がわかる
英語のMarketingは分解すると、Market市場がing進行(変化)しているになります。
市場はインターネットやスマホの登場などのテクノロジーの進化や、コロナ禍や環境問題などの社会情勢の変化によって常に変化し続けています。マーケティングとは、その変化し続ける市場を相手にするもので、「変化する」ことが本質にあります。
一方で市場を形成している「人」は自分が求めるもの、必要なものをモノをお金、時間といった「価値」を交換しあって、手に入れるということは大昔から変わりません。
これらの変化するもの、しないものを把握することが、「マーケティング」を知る初手だと私は考えています。また世の中を動かす実際のマーケターの書いた書籍を読むことで、マーケターとしてのキャリアアップの糸口を見据えることも大切だと考えています。
この記事では、難しすぎず、でも本質を知ることがで、キャリアアップの秘訣を知ることができる本を紹介していきます。
ストーリーや具体例でマーケティングを知れる本4選
マーケティング入門書ー1:ドリルを売るには穴を売れ
読了目安4時間半
ポイント
- マーケティングの基礎の基礎がわかりやすく解説されています
- 入門書でありながら「セグメンテーション」「ターゲティング」「4P」などの基礎を抑えて解説しています
売上不振に陥っているお店を立て直すという物語を通して、起きている問題に対して何を考えて、どのように解決していくかを解説しています。
たとえ、「ものがよくても売れない」ということが起きる理由とそれを乗り越えるために必要なマーケティング思考をこの本で養うことができます。
マーケティングをはじめて学ぶという方におすすめの本です。
マーケティング入門書ー2:100円のコーラを1000円で売る方法
読了目安3時間半
ポイント
- マーケティングの要点を10個のストーリー仕立てでわかりやすく紹介されています
- この本を読むことでマーケティングに必要な真の顧客中止主義の考え方がわかります
- 顧客の「言いなり」からの脱却の重要性がわかります
著者の永井孝尚氏は1984年に日本アイ・ビー・エムに入社。製品開発、戦略マーケティングマネージャーを歴任し2013年に退社。同年にウォンツアンドバリューを立ち上げ、新規事業開発支援、年間2000名以上に公演や研修を通してマーケティングや経営戦略を伝える仕事をしています。
製品開発とマーケティングの経験があるからこそ、顧客の真のニーズを捉えて、製品に反映させた上で、売る仕組みを作る方法を具体的にかつ、わかりやすく解説ができるのだと感じます。
『100円のコーラを1000円で売る方』は小難しい理論ばかりの本ではなく、ストーリー仕立てでマーケティングの戦略、ポイントをわかりやすく解説されています。
そのため事前知識なく1日でさっと読めるのが特徴の本で、マーケティングをこれから志す方にはまず読んでもらいたい本の一つです。
マーケティングだけでなく、企業競争戦略やイノベーションも同じように知りたい方は次の合本版がおすすめです!
マーケティング入門書ー3:USJを劇的に変えた、たった1つの考え方 成功を引き寄せるマーケティング入門
読了目安5時間
ポイント
- USJを人気のテーマパークへと発展させたマーケティング手法を初心者向けに解説しています
- マーケティングの本質とは何か、フレームワーク、マーケターに向いている人、向いていない人の特性がわかります
筆者である森岡毅氏はUSJを経営危機からV字回復をさせた手腕の持ち主です。
そのマーケティング経歴は1996年P&Gから始まり、ヘアケアブランドのブランドマネージャーを歴任後、P&G内では若手にマーケティングを教えるトレーナー業務をしていました。
2010年にUSJに入社し、テーマパーク自体とマーケティングの改革を行い、2010年時には730万人の年間来場者数を2014年には1270万人にまで押し上げた剛腕の持ち主です。
この本では筆者のUSJをV字回復させた経験をもとに、マーケティングの基本を中心に、成功するビジネスの戦略や戦術を編み出すために使う「マーケティング・フレームワーク」とマーケターとしてのキャリアアップの秘訣が書かれています。
マーケティングの基本と実体験をもとに書かれた、マーケターとしてのキャリアを知ることができるそんな本です。
マーケティング入門書ー4:「嵐」に学ぶマーケティングの本質
読了目安4時間
ポイント
- 嵐というグループが長く日本で愛されたメカニズムがマーケティング視点で書かれている
- 筆者の嵐への愛が出ていて、誰もが知っている例えなのでわかりやすい
筆者の射場瞬氏は米国でのMBA取得後、日本コカ・コーラFILA・ジャパン、アメリカン・エキスプレスなどのグローバル企業において新規事業開発、およびマーケティング職を歴任してきた人物です。現在はIBAカンパニー代表をしています。
マーケティングのプロであり、大の嵐好きである射場氏の情熱の詰まった本で、嵐というブランドがなぜ愛されているのか、裏側にあるブランド・コミュニケーション戦略と戦術を解説しています。
嵐という日本にいるひとなら誰もが知っているグループを扱っているので、わかりやすく、かと言って内容が浅いわけでもなく、マーケティングの本質を知れる本です。
マーケティング初心者から中級者におすすめです!
マーケティング・フレームワークがわかりやすい本3選
マーケティング入門書ー5:超図解・新しいマーケティング入門~“生活者”の価値を創り出す「博報堂の流儀」~
ポイント
- マーケティング戦略や戦術を考える上で大切なフレームワークが図式化されてわかりやすく解説されています
- フレームワークを使う順序もわかりやすく書かれています
- マーケティング基礎のみならず、最新のマーケティングにおけるデジタルデータの保有、活用に関しても知ることができます
この本は博報堂のトップマーケター21人によって、マーケティング理論を最新版にアップデートしてまとめられた本です。本全体で60点ものインフォグラフィックが使われているので、視覚的で直観的にマーケティング理論を知ることができます。
日々、クライアント向けに提案活動をしている現役の博報堂のマーケターがまとめたということもあってか、内容は端的にまとまっていながらも、浅いわけでもなく絶妙な塩梅で本はまとめられています。
私自身、中堅になってからも自分の仕事を振り返るときに一度さっと読んで、プロジェクトの戦略や手順を整理するときに使うこともあります。
必要な情報をパッとみることができるので、一度読んで終わりというよりも、教科書的に手元においておくのにぴったりな本です。
マーケティング入門書ー6:コトラーのマーケティング・コンセプト
読了目安5時間
ポイント
- 言わずと知れたマーケティングの父であるフィリップ・コトラー教授の著書です
- マーケティングの基本となるコンセプトをまとめた本
- アカデミックな本ですが、読み手を意識したわかりやすい表現がされています
著書であるフィリップ・コトラー教授はノースウェスタン大学ケロッグ経営大学院経営大学院の特別教授です。マーケティングの第一人者で、主要な学術誌には90以上の論文を寄稿していて、その著書の多くは日本語訳にもされています。
マーケターを志す人から現在活躍しているトップマーケターまでもがその著書や研究成果には必ず触れることになります。
ここで紹介するマーケティング・コンセプトは、コトラー氏の研究成果の中でもビジネスでよく活かされる重要な80のコンセプトをまとめた本になります。また、この本で語られていることはアカデミックな本にありがちな、理論先行で実行に移せないような内容ではなく、具体的な事例やコトラー氏自身が実際に目にしたエピソードも織り込まれています。
コトラー氏の研究成果の全体を知りたい場合には『マーケティング・マネジメント』をおすすめしますが、初心者向けとしてはまずはこの本を手にしてもらうことが良いと思います。
マーケティング入門書ー7:世界のエリートが学んでいるMBAマーケティング必読書50冊を1冊にまとめてみた
読了目安9時間半
ポイント
- 現代のマーケティングを理解するのに必要な50冊が1冊にまとめられている
- それぞれ難解で難しいの書籍が噛み砕かれて説明されている
- 身近な事例や日々の仕事にどう活かせるかも書かれている
この本は『100円のコーラを1000円で売る方法』と同じ永井孝尚氏の著書です。
マーケティングを実践して行く上で必要になるのが、仕入れた知識や理論を自社や自分の業務にいかに合うように自身でアレンジを加えて取り入れて行くかが重要になります。先に紹介した森岡毅氏のUSJをV字回復させた実例を見ていくと、さまざまなマーケティング理論をうまく活用していることがわかります。
この本は理論を活用するという視点でも有用で、50冊それぞれの本で書かれているエッセンスが抽出されていて、日々の仕事への指針もそこには書かれています。
またテーマごとに分かれていて、「戦略論」「ブランド論と価格論」「サービス・マーケティング」「マーケティング・コミュニケーション」「チャネル戦略と販売戦略」「市場と顧客を理解する方法論」の6つの章に分類されています。
自身の興味のある分野から見てもOKで、読んだパートをさらに知りたいと思った場合には原書に行くという使い方ができます。
網羅的にマーケティング論を知りたい。まずは全体像だけ知って、興味のでた分野を深掘りしていきたいと考えている両方のニーズに応えているおすすめの本です。
まとめ
マーケティング初学者、これから業務でマーケティングに携わることになった方向けのおすすめ書籍をまとめました。どの書籍も、一度読んで終わりでなく中堅になってからも使える本で、手元に持っていて損は無い本だと思います。
マーケティングは知識を持ったらそれでOKではありません。特に活用してこと意味のある分野だと私は思います。ですが会社のコンディションや組織上、書籍に書いてあることがそのまま活用できるということは稀です。
日々自社のマーケティングをアップデートするためにできることは何かを考え、知識を仕入れ、チャレンジして、振り返りをすることで自身のナレッジへとなっていきます。
私自身もマーケティングを学び続けて、日々の業務を変えていこうとしていますので、是非一緒にこの広いマーケティングの世界の中でチャレンジをしていきましょう。