『「嵐」に学ぶマーケティングの本質』射場 瞬 著|書籍紹介
この本は嵐のファンであり、マーケティングのプロである射場 瞬 氏自身の興味関心と仕事を結びつけ、日本の人なら誰もが知っているアイドルグループを例に、誰にでもわかりやすくマーケティングの本質を解説する本になっています。
射場 瞬 氏はニューヨークでMBAを取得後、グローバル企業でのマーケティング職を歴任。日本コカ・コーラ、FILA・ジャパン、アメリカン・エキスプレスなどで事業戦略、新規マーケット開拓、商品開発、ブランドマーケティングに20年もの間従事してきたマーケティングのプロ中のプロです。現在はIBAカンパニーの代表で米国の最新事例をもとに日本企業のDXサポートを行っています。
本書はその射場 瞬 氏が2020年に活動休止をした「嵐」を例に、日本中から愛され、熱狂的なファンを生み出し続けた「嵐」の人気の理由をマーケティングの観点から紐解いています。
この本を読むとマーケティングの理論や考え方を整理することができ、仕事に生かすためのエッセンスを得ることができます。
本の目次
- 第1章 ブランドとブランディングを「嵐」に学ぶ
- ブランドとは何か?
- ブランディングとは何か?
- 嵐のブランド、嵐のブランディングとは?
- ブランドを守る、育てるためのキモは何か?
- “嵐ブランド“の定義
- 第2章 マーケティングを「嵐」に学ぶ
- 嵐はマーケティング理論の最適な事例
- マーケティングとは何か?
- 嵐のマーケティングとは?
- 嵐のマーケティング成功のドライバー1
- 顧客思考と顧客インサイトの理解
- 嵐のマーケティング成功のドライバー2
- ファンと多様な価値交換を、継続的に実行
- 嵐のマーケティング成功のドライバー3
- 心にメッセージを定着させる、ストーリーテリング
- 第3章 デジタル活用を「嵐」に学ぶ
- デジタルマーケティングとトリプルメディアとは?
- ペイドメディア重視の戦略における課題とその乗り越え方
- 細部まで嵐らしい、オウンド・アーンドメディア活用
- 第4章 ブランドの機器に顧客の愛を強める
- 第1フェーズ:活動休止発表からの一週間
- 初動から学ぶ、顧客の愛を生むリスクマネジメント
- 第2フェーズ:活動休止までの2年間のマーケティング
- ファンとメンバーが作る、壮大な嵐ストーリー
- 第5章 最後の一瞬まで「嵐らしく」、ファンのために
- 2年間の集大成となった「This is 嵐LIVE 2020・12・31」
- 「嵐らしく」ファンの感動を深めた6つの要因
本のおすすめポイント
日本の中で21年間もの長期間にわたりトップアイドルであり続けた「嵐」のブランディング、マーケティングには、消費者行動やメディアが急速に変わる中でも、その変化に対応をし、愛され続けてきた事例が詰まっています。
この本では時代の変化に左右されないブランドやマーケティングの本質や概念と、時代やテクノロジーの変化によって変化する消費者行動とマーケティングの手法や理論の両方に焦点を当てて説明がされています。
通常このような内容を知るときには、マーケティングやブランド学の第一人者であるコトラー氏やデービッド・アーカー氏の著書を読んだりしますが、出てくる事例は米国や海外事例が中心でとっつきにくいことが多いです。
一方この本は「嵐」という一つのグループに絞って、しかも誰もが知っている日本のアイドルグループを題材にしてマーケティングとブランディングの理論や概念を説明をしています。そのため難しい内容なはずなのですが、とても読みやすく、理解もしやすい内容になっています。
マーケティング初学者の方から、自身のマーケティング論を改めて整理したいという方にもおすすめできる内容になっています。
こんな方におすすめ
これからマーケティングを勉強するという方
マーケティングとブランディングの理論を手軽に知れる方法を探している方
コトラー氏やデービッド・アーカー氏の著書を読んだが難しくて挫折した方